一月・二月・三月 

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七月・八月・九月 
 神無月
  吊り橋へ踏み出す一歩小鳥来る

  林檎食ぶいまも伝はる埋蔵金

  道化師の山高帽子赤い羽根

  大案山子棚田百枚睥睨す

  絵手紙の掛かる格子戸町小春

  故郷の街は碁盤目小鳥来る

  剪定のリズム軽ろやか体育日
  
   低き軒連ね冬めく旧街道

   神の田の案山子あまさず畏まる

   善意てふ回覧板に愛の羽根

   隧道に風のそよぎし秋惜しむ

   身に入むや掟をしるす高札場 

   赤い羽根胸に付けられる黙の刻

   礼服でバス待つ一人小鳥来る
霜月
  きざはしの一段ごとにある秋思
  
  ざはしの阿吽のはざま寺紅葉

  茶の花やダム放水の白き音

  冬立つや足湯に使ふワンコイン

  走り根にとどまる日差秋うらら

  神の留守間違ひ電話きのふけふ

  擦れ違ふ人の目礼木の葉舞ふ
   散策の音きざみゆく落葉道

   走り根の刻む百年木の実降る

   天高し
尾跳ね上げて葵紋

   白息を集めて磨く今朝の窓

   山門へ誘ふ石段薄紅葉

   行く秋や森に佇ちたる芭蕉句碑

   冬ざれや路地より生まる風の道
 師走
  枯草も礎あとも廃寺跡
  
  境内の銀杏落葉に知る広さ

  一塊の枯草をして古墳群

  風ごとに空を広げし落葉かな

  あれこれで通じる話日短

  靴弾む帰路の参道七五三

  指すこし触れれば割れて初氷
   
 
   寄鍋の席に右利き左利き

   初霜や野路に置きある忘れ鎌

   短日や村に一つの停留所

   初霜や日差し届かぬ手水鉢

   冬の雨固く閉ざせし鯉の口

   狭庭とて日向のあるる冬の蝶

   散りつぐをためろうてをり後落期
   
                                            
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