ドイツ・ロマンチック街道と
        スイス・パリの旅 
(U)




三日目












































四日目

























五日目
 早朝は中世の世界そのものを感ずる、街はずれの城壁に囲まれたブルク庭園を散歩する。緑も濃く、囀りも一段と大きく感じる。

      リラ冷えの風の絡まる散歩径

      鳥声のゆるりと届く夏木立


             
                       ローデンベルクの街中にて


 中世犯罪博物館、マルクト広場、市庁舎、聖ヤコブ教会と巡る。  最も人気があるのは市庁舎広場の建物の壁面にある仕掛け時計。赤いレンガの建物と石畳のまち。看板・電線であふれる日本の光景を思わず思い浮かべた。文化に対する考え方の違いを痛感する。以前旅したイタリア・ハンガリー・オーストリア・チエコでも同様に感じた。  街を囲む城塞に上り、中世風の街中を見ていると狭い石畳の上をのんびりと観光馬車がやってきた。うしろにはベンツ・ホンダ車を従えて・・・


      馬車音の風と消えゆく夏の空

 午後からはロマンチック街道の終着点フッセンを目指してひたすらドライブ。  道中 巨大隕石の落下でできた盆地上に作られた街ネルトリンゲンを通り大学都市のアウグスブルクにて小休止・フリータイム。市庁舎前広場の喫茶店にて持参した電子辞書を駆使してフリータイムを楽しむ。

      隕石の落ちし穴跡街薄暑

      夏兆す異国に遊ぶ電子辞書 

 一昨日来、ドイツの農村地帯は広大な緑で、赤レンガの家々は色とりどりの花で飾り、時には菜の花畑、時には広大な小麦畑と絵本の一コマのようである。まさにロマンチックな街道をたっぷりとドライブを楽しみつつ、海抜800mドイツで最も高い街フッセンに到着す。



 昨日は雪が降ったようで、朝から天候を案ずるも無事、「白鳥の城」と呼ばれているノイシュバンシュタイン城を訪れることが出来た。ペラート峡谷にかかるマリエン橋(高さ92m)からノイシュバンシュタイン城を眺める。切り立った崖に立てられたノイシュバンシュタイン城が真正面に見える。まるで空に建っているようだ。その素晴らしい景色を堪能する。ディズニーランドの城のモデルにもなったようだ。
 
                  万緑の空へ建ちたる古城かな

      白亜なる古城眩しき新樹光

      馬車の音の青嶺に交じる古城坂



   おとぎの国の城を眺めているようだ。日本語ガイドもあり、きらびやかな内部の装飾、壁画の説明を受け、ドイツ史も解らぬままに、素晴しさに只管、歩を緩める。  城からの帰りは、森林浴を楽しみながら徒歩で駐車場へ向かう。途中、城へあがってくる馬車ともすれ違う。
                       
 昼食後は宿泊地のインターラーケンに向かう。ドイツ自慢のアウトバーンを走り、オーストリア、スイスへと走る。広大な景色のなか国境も判らぬままにスイス・インターラーケンに到着する。日本の大津市と姉妹都市だそうだ。周囲の山はうっすらと雪化粧をしている。あすの天候を祈るばかり。




朝、目覚めると同時に窓より山を確かめる。 幸い雨もあがり曇りながら山も時々顔を見せる。
 登山電車に乗り標高3454mのユングフラウヨッホへと向かう。暫くは牧歌的なまるで「アルプスの少女ハイジ」が抜け出たような風景が続く。標高が上がるにつれ、雪まじりの険しい山岳が目前に迫る。クライネシャイデック駅で登山電車を乗り換える。ここではスイス救助犬が出迎えてくれた。  アイガー北壁、ユングフラウを望むことが出来る。



                     

 この駅からユングフラウヨッホへ向かう鉄道は、急勾配のトンネルをくぐり抜け、氷河を刳り抜いて造ったユングフラウヨッホ駅までゆっくりと進む。  終点のユングフラウヨッホ駅を降りると日本の昔懐かしい赤いダルマ型の郵便ポストがあった。駅からエレベーターにて展望台へ。建物を飛び出すと一面銀世界。青空とガスが交合に迫ってくる。氷河の世界はマイナス9度でカメラを持つ手が忽ち動かなくなる。(手袋を用意していなかった) 室内に戻り氷の宮殿へ足を伸ばす。氷河をくり抜いた建物で床も壁も氷でピカピカ・つるつるだ。

       氷壁の登山電車の軋み音

           アイガーの氷壁隠す雲の峰

  マイナス温度の世界を体験した後登山電車・バスを乗り継ぎスイス連邦の首都ベルンへと進む。登山電車からはアルプスの裂け目のごとく高い滝がところどころ見られ、白い吐息を吐き出している。  バスは快適なうちにベルンに到着する。 歴史遺産に指定された美しい町で街の名前はシンボルでもある熊(ベアレン)に由来あると聞く。   熊公園の近くでバスを降り、クラム通りの石造りのアーケードを時計塔に向かって歩く。 このアーケード商店街にアインシュタインも若い時を過ごした地でもある。時計塔・大聖堂・市庁舎へと進む。まるで中世を抜け出てきたような街である。トロリーバスも石畳をゆっくりと遠慮しつつ走っているようだ。
                
 
      降り立てば氷河くりぬく登山駅

    アルプスの軋み吐き出す滝高し    

  ジュネーブへ高速路を一直線。ドイツ・アウトバーンでは大型トラックを随分みるも、ここでは乗用車ばかりで、ほとんど大型トラックなど見かけない。観光立国だからだろうか。今夜はジュネーブにて宿泊。 スイスも都市部は大半がアパート住まいであるが、洗濯物が干してある景はまったくない。美観を損ねるため、法律的に禁じられているとのよし。また山肌も日本のようにグリーンが捲られたままの光景はなく、すべて美しい緑に覆われていた。洗濯物と同様に法的規制がかけられているそうだ。

       街角に中世あるるバルコニー

                       
                          ベルンの街にて
  
                                               
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